まず結論から
10月は、胸を張って乾季と呼べる最後の月です。最初の2〜3週間に訪れるなら、1年でも指折りのお得な時期になります。9月の良さはほぼそのまま残ります。乾いた空、穏やかな朝の海、まだ姿を見せるマンタ、活発なコモドドラゴン。そのうえ9月のラブアンバジョより人が少なく、料金も控えめです。気をつけたいのは月末。フローレス島の上空に午後の雲が厚くなりはじめ、島々を渡る航路に本格的なうねりが戻ってきます。
率直に言えば、10月上旬に予約すれば静かな9月のような旅になり、下旬に予約すれば乾季が持ちこたえるかどうかの賭けになります。狙うなら前半。20日以降の好天は計画に組み込まず、おまけと考えておきましょう。
10月の天気
| 項目 | 10月の目安 |
|---|---|
| 最高気温 | 31〜33℃ |
| 最低気温 | 23〜25℃ |
| 降水量 | 少ないが増加傾向(月20〜60mm、ほとんどが下旬) |
| 海況 | 上旬は穏やか、月末にかけてうねりが出る |
| 透明度 | 水中で15〜25m |
| 風 | 弱い。月末近くは風向きが変わりやすい |
10月上旬はまだ乾季の天気です。半年も雨が降らないので、トレイルは土ぼこりが舞い、パダール島(Padar)の草は金色から茶色に変わり、朝日はくっきりと昇ります。20日ごろからは、フローレス島の上に午後の雲がわき、短いにわか雨がときどき降り、湿度も上がってきます。とはいえ、まだ雨季ではありません。本格的な雨季が来るのは年末近くで、本当に避けたい荒れた時期は1月下旬から3月上旬です。10月は、乾季の扉が閉まりはじめたところにすぎません。

10月下旬の季節の変わり目とボートツアー
ここは見落とされがちなポイントです。10月の最初の2〜3週間は、スピードボートが妥協なしでコモドの定番ルートを1周します。パダール島、ピンクビーチ、コモド島、マンタポイント(Manta Point)、タカ・マカッサル(Taka Makassar)を1日で回り、どこも省かれません。
月の後半になると様子が変わります。風向きが定まらなくなり、外洋に開けた水道では午後に波が立ちます。海況の悪い日は、ツアー会社が回る順番を入れ替えたり、いちばん波を受けやすい立ち寄り先を外したりして、乗り心地を保ちます。ツアーが中止になることはまれで、ルート変更になることのほうが多いでしょう。タカ・マカッサルや南の遠いスポットまで行きたいなら、月の前半に。また、朝の海はいちばん長く凪いでいるので、昼近くにのんびり出発するより、早朝出発のツアーのほうが予定どおりのルートを回りやすくなります。
ピーク期と比べた混雑
8月と9月の混雑は、10月にはすっかり消えています。ヨーロッパやオーストラリアからの休暇客は数週間前に引き揚げ、月を通して静かです。
私たち自身の記録から数字を挙げましょう。8月のピーク時の朝には35隻が停泊するパダール島の錨地も、10月の大半は8〜12隻ほどで、月末には数隻にまで減ります。8月の日の出には200〜300人が詰めかける展望台も、誰も写り込まない写真が撮れるほどに落ち着きます。昼のピンクビーチも実に穏やか。マンタポイントでは1つのクリーニングステーションに船が2〜3隻、ときには自分たちの船だけということもあります。
パダール島のために、夜明け前に慌てて出発する必要もありません。04:30発でも第一陣として展望台に着けます。8月の「04:00には海の上にいること」という鉄則とは大違いです。
料金と空き状況
10月になって、ようやく乾季の割増料金がなくなります。
- ピニシ船のキャビン:8月の料金より20〜35%安くなります。ピーク期には何か月も前に満室になっていた船でも、1〜2週間前に予約できることがよくあります。
- ホテル:高級ホテルにもしっかり空きが戻り、中級クラスならその週のうちに予約できます。
- コモド空港(LBJ)への航空券:バリ島やジャカルタからの運賃は、7月と8月の高値を大きく下回ります。
- 日帰りツアー:ショルダーシーズン料金に戻り、2〜3日前でも予約できます。
- 国立公園の入園料:いつもどおり変わりません。公園は季節料金を設けていません。
ひとつ注意点があります。ショルダーシーズンの終盤は運航する船の数が減るため、人気の日程では特定のリブアボードが満室になることもあります。安いからといって空いているとは限りません。日程が決まっているなら、日帰りツアーは後回しにしても、船だけは先に押さえておきましょう。

10月は日帰りツアーとリブアボード、どちらがいい?
どちらも10月いっぱい運航しているので、基本的には好みで選んでかまいません。ただし、天気について1つだけ気をつけたい点があります。
コモド島日帰りツアーなら、10月上旬はとてもいい時期です。海は穏やかでルートを1周でき、料金も安く、午後に天気が崩れても夕方には陸に戻れます。天気のよさそうな朝を選び、悪そうな日は見送ることもできるので、月末に近づくほどこの身軽さが効いてきます。
リブアボードなら、10月上旬は9月の体験を静かに、そして安く味わえる時期です。がらんとした錨地、ほかの船が1隻も写り込まない夕暮れのデッキ、自分たちだけの湾で迎える朝。その代わり、数日がかりの船旅はその間の海況に身を任せるしかないので、10月下旬はタイミングを見計らった日帰りツアー1回よりも天候のリスクが大きくなります。リブアボードにするなら、早めの時期に。
ぴったりの旅を選ぶ
10月のマンタとダイビング
マンタポイントとマワン(Mawan)のクリーニングステーションは10月に入っても活発で、ポイントにいる船が少ないぶん、自分たちのグループだけでステーションを独占できることもよくあります。ダイビングのコンディションは9月のピークからやや落ち、海の状態が変わりはじめるにつれて透明度は15〜25メートルほどに。十分きれいですが、乾季の真ん中に見られる30メートルの澄みきった日ほどではありません。水温は27〜29℃前後で、コモド名物の潮流は相変わらず主役です。月の前半はどのショップも全ポイントを回り、後半になると外洋に面したポイントは状況を見て選ぶようになります。
10月の持ち物
基本は乾季の装備ですが、季節の変わり目も想定しておきましょう。
- 何より日焼け対策。 サンゴに優しい日焼け止め、船の風でも飛ばされない帽子、長袖のラッシュガード。10月上旬はまだ容赦なく日が照りつけます。
- 今回は薄手の雨具も。 9月とは違い、10月に訪れる方には折りたためるレインジャケットをおすすめしています。月末には、午後に短いにわか雨が降ることが十分ありえるからです。
- パダール島にはしっかりした靴を。 それに防水バッグと、繰り返し使える水筒も。半年も雨が降らないあとのトレイルは土ぼこりだらけです。私たちの船にはどれも給水用の水があり、公園内では使い捨てプラスチックが禁止されています。
私たちの率直な結論
10月はよいショルダーシーズンで、とくに10月上旬は1年でも指折りのお得な時期です。乾季に近いコンディション、本物の静けさ、そしてピークを大きく下回る料金。大事なルールはただひとつ、月の早い時期に予約することです。最初の2〜3週間なら穏やかな海と予定どおりの旅程が手に入り、最後の期間は、その確実さの一部と引き換えに、さらに安い料金とさらに少ない人出が得られます。
9月を選ぶなら、穏やかな海と最高の透明度をいちばん確実に狙いたく、少し高くてもかまわない場合です。その場合は9月のラブアンバジョをお読みください。
8月を選ぶなら、日程が学校の休みに縛られている場合や、ジンベエザメと透明度の統計上のピークを狙いたい場合です。ピーク期に混雑という形でどれだけの代償を払うかは、8月のラブアンバジョガイドで詳しく紹介しています。
月ごとの全体像は、ラブアンバジョのベストシーズンとコモド島のベストシーズンのガイドで1年を通して解説しています。コスパを最優先にしてすぐ動けるなら、10月前半を予約して、あれこれ悩みすぎないことです。
よくある質問
10月はラブアンバジョ旅行に向いていますか?
10月上旬は、ショルダーシーズンの中でもおすすめの時期です。乾季らしいコンディション、穏やかな朝の海、活発なマンタ、少ない人出、そして8月のピークを大きく下回る料金がそろいます。10月下旬は午後の雲やうねりが戻りはじめて不確実さが増すので、月の前半に予約するのがいちばん確実です。
10月のラブアンバジョは雨が降りますか?
月の初めはめったに降りません。10月は乾季の終わりにあたり、最初の2〜3週間はほぼ乾いた天気が続きます。20日ごろからはフローレス島の上に午後の雲が出て、短いにわか雨がときどき降ることもありますが、本格的な雨季や避けたい荒れた時期はもっと先、おおむね1月下旬から3月上旬です。
10月のラブアンバジョは9月より安いですか?
たいていは安くなります。ピニシ船のキャビンは8月の料金より20〜35%安く、ホテルも簡単に空きが見つかり、航空券もピーク時の運賃を下回ります。ただし、ショルダーシーズンの終盤は運航する船が減るので、表向きの料金は下がっていても、人気の日程では特定のリブアボードが満室になることがあります。
10月上旬にコモド島日帰りツアーに参加できますか?
できます。しかも日帰りツアーにはかなり向いた月です。10月上旬は海が穏やかで、スピードボートがルートを1周でき、料金も安く人も少なめです。月の後半は午後の波でルートが変わることもあるので、10月前半の早朝出発のツアーを狙いましょう。



